紙本の洗い、絹本の洗い(絹乃輝)

今回は、掛軸本紙の洗い液についてご紹介致します。本紙が紙の場合と絹の場合では使用する洗い液は違います。紙本の場合は、「紙本の洗い A液・B液」 を使用します。作品を傷めたり思わぬ事態を避ける為に開発した紙本専用の洗い液です。A液を倍に希釈し刷毛で本紙にむらなく湿布して10~20分放置後、B液をぬるま湯又は水でに希釈し本紙を付け洗いします。A液の残留が無くなれば完了です。( A液 過酸化マンガン B液 亜硫酸ソーダ 共に500㏄)

絹本の場合は「絹乃輝」( 洗い液 1000cc、粉末120g)を使用します。絹素材の安全を第一に開発した絹本専用の洗い液です。粉末と洗い液のセットで、通常は粉末1:液4の割合で撹拌して溶剤をつくり絹本を30分~2時間ほど浸けて頂ければ汚れが取れます。あとは水洗いして下さい。洗い液をお使いの時は必ず使用書をご参照下さい。使用量に差が出てきますので別売も可能です。古い本紙を洗っていると思いがけない事故が生じることがあります。出来れば洗い養生紙(Y1455 100cm巾 ✕ 20m巻)のご使用を推奨致します。

長い月日の経過と共に汚れたり傷んだりしている掛軸が表具師の素晴らしい技術で美しく蘇るのは本当に嬉しい事です。大切な本紙を傷める事の無いように是非、信頼の於ける洗い液をご使用頂きたいと願っております。

 

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