「フノリ」が入荷しました! 今回はフノリについてご紹介致します。フノリとは一言で言えば海藻から作られた古来から伝わる接着力の弱い糊です。 弊社フノリは、最も上質と評価を受けている長崎 対馬沖の「まふのり」だけを使ったフノリです。収穫は春先の3月~5月、夏場に太陽で天日干し。乾燥工程は伊勢地方にて。海草の赤色が乾燥して黒くなった時点で、真水にさらして塩抜きと色抜きを行ないます。その後、天然のアルカリ溶剤でフノリの繊維を細分化し、糊化しやすく加工。再び天日干しして完成。これも自然の恵みの一つですね。先人の知恵に敬服するばかりです。
フノリの特長としては、① 接着力が弱く、水で糊が溶けるために、時間が経過しても本紙に負担を掛けずに糊の除去が可能。② ふのりを使って掛け軸を仕上げると、しなやかで柔軟性のある仕上がりが可能。その様な特徴から、フノリは伝統的に表具(主に掛け軸や巻物の和紙裏打ち)、文化財の修復や絵画、書画、紙資料等の修復、茶室の腰張り(砂壁を傷めない、砂を剥がさない為)に使われています。昨今ではフノリを使う事もなかなかありませんが、表具師の皆様に於かれましては是非一度お試し頂きたいと思います。